入隊式のその前2 宣誓

ぼくは自衛官候補生という制度で入ったので、自衛隊がやる宣誓とは違った宣誓を行わなければならない。

自衛隊は皆、といっても公務員は皆だが、服務の宣誓というものを行わなければならない。
その内容は
私は、自衛官候補生たるの名誉と責任を自覚し、日本国憲法 及び法令を遵守し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身を鍛え、知識をかん養し、政治的活動に関与せず、専心自衛官として必要な知識及び技能の修得に励むことを誓います。

ポイントを抑えると
ちゃんとルールを守ります
立派な人間になります
自衛官としての職務を全うします
この三つだ。
入隊式のその前2 宣誓
自衛隊はなんでも難しい言葉を使って説明しようとするんだけど、言っていることはいたって簡単だ。

ぼくらの教育隊は総勢100人近い人がいた。ぼくらは一緒になって前期教育を受ける。
その教育隊がホールに集めさせられて、今から宣誓書にサインをすると聞かされる。
サインをした時から教官たちはぼくらを自衛官として扱うそうだ。
なんだかものすごく物騒なことを言われている気がする。

たしかに、駐屯地に来てから二日経ったけど、厳しい事なんて何もしていない。
戦闘服に名札を縫い付けるという今までの人生でなかなかしないことに四苦八苦することはあるけれど、想像していた厳しい事とは全く違う。
何やらいやな予感がするなと思いながら、ぼくらは全員宣誓書にサインをした。

それからだ、部屋に帰ると班長が待っていた。

班長というのはぼくらの班を専属で教育してくれる教官のようなものだ。

その班長が
「おいっ、山本、今日サインした宣誓書になんて書いてあったか言ってみろ。」
山本はそれらしいことを言ったが、班長は一字一句間違わずに答えろと言う。

そんなことできる奴はぼくの班にはいなかった。

そして、班長が
「お前ら全員、その場に腕立て伏せの姿勢をとれ」と言った。
今後何十回と聞くこのセリフを聞いたのはこの時が初めてだった。

班長曰く、署名したのは自衛官候補生としてぼくらが承諾した内容だから、間違わずに覚えろということだ。

自衛隊は宣誓した瞬間から急に厳しくなる、それは宣誓するまではお客様として接するように徹底されているからだ。
でも、一度宣誓をしたものには自衛隊流に厳しく接するそれが自衛隊のルールなのだ。

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